四国遍路道の道標・丁石

四国八十八所の遍路道にある道標、丁石を紹介します

21番太龍寺から22番平等寺へ

徳島（阿波）

21番太龍寺から22番平等寺間の道標・丁石

案内記では太龍寺から平等寺へ2里

 

太龍寺からいわやを経由する道は以前のブログを参照して下さい。

www.osakayamatyan.com

 岩屋への分岐から右へ少し登り阿瀬比へは急な下り坂となります。途中に39丁石が1基ありますがこれは恐らく丁数からして岩屋への消滅した道筋にあった物だと思われます。下って来てくると昔のお寺跡があり石造物が多くみられます。

薬師堂の前には徳右衛門標石

これは太龍寺寄り（岩屋への分岐付近？）に在ったのを移設した際一里以後が削られています（たぶん２０丁）。

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すぐ近くには手差しの道標、是も何処からか移設されたものでしょう

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やがて県道28号線に出た所にも自然石の道標

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国道195号線を横断し50ｍで市道を横断する所に中務茂兵衛の道標

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山裾の旧道を進み小川の袂に小さな手差しの道標

徳島県の阿波遍路道調査報告書（2019年）によるとこの道標はこの先大根峠口にある真念道標の折損した下部のようです。

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近くに新しい道標

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先の茂兵衛の道標から市道を東へ行った先に道標

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遍路道を進むと2基の道標

自然石の道標の施主名が何故か削られている

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この先の分岐を右に行くのですが分岐に元はも少し手前に在った真念標石、風化がかなり進んでいます。

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やがて山道となり大根坂を越えます。峠を越え下り道に

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数メートル先に

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この先は旧遍路道は判らなくなっていて現在の遍路道を下ります。

回りが開けて阿南市新野町岡花の分岐には文政13年（1830）の道標、平等寺へ15丁

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つぎに300ｍ程の三差路には2基の道標、1基は大正14年（1925）

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 そして文化4年（1807）の道標、平等寺へ10町

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 桑野川沿い進み岩戸橋近くに天保と大正の2基の道標、平等寺へ6丁

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道を650ｍ程進んだ右側に付近にあったと思われる石造物が集めてあり

その中に2基の道標手差しの道標と

享保13年（1728）の道標、施主は淡路島の人である。是は刻字から元は左へゆくと平等寺右へゆくと川を渡り薬王寺方面へ行く所に在ったのだろう

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100ｍ足らずで22番平等寺

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MAP22-3（カシミール3Dにて作成）

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20番鶴林寺から21番太龍寺へ2/2

徳島（阿波）

20番鶴林寺から21番太龍寺間の道標・丁石　2/2

 鶴林寺から下って来て那賀川を渡るのですが昭和40年に水井橋が出来るまでは江戸時代から船で渡っていました。昔は川を渡りその先は急な登りだったようです。

但し古い時代には那賀川の渡しも無く別ルートの南北朝時代の町石が残る加茂からのルートで太龍寺に上っていたようです。

 

承応2（1653）四国遍路日記（澄禅）には

　寺ヲ出、直ニ坂ヲ下テ川原ニ出。此川ハ大河ナレドモ舟モ無ク渡守モナシ。上下スル

　舟人ニ向テテヲ合、ヒザヲ屈シテ二時斗敬礼シテ舟ヲ渡シテ得サセタリ。其ヨリ先ハ

　深谷ノ人里絶タル所ヲ細谷川ヲ付テ行事一里斗、又夫ヨリ大坂ヲ上ル事五十町なり

貞享2年（1687）四国遍路道指南（真念）には

　太竜寺まで一里半、道ハちかミちなり。大師御行脚のすぢハ加茂村、其のほど二里、

　旧跡も有。○大井村、なか川舟わたし○わかすぎ村、家四五軒有

安永7年（1778）の道中日記には

　長井川舟渡有、夫より山路越シ、若杉四五軒ノ在也。沢手廿丁斗、

　夫より丁切、十八丁より

寛政12年（1800）の四国偏礼名所図会には

　那賀川　船渡し十五文宛　若杉村　家四五軒有、是より太龍寺迄廿丁坂、西新道、

　東古道新道通りてよし

 

 

水井橋を渡り100ｍ程で左へ折れる切通しの所に以前は少し手前に在った様ですが舟形の一丁石で太龍寺迄28丁との刻字があります

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昔は切通しも無くすこし上に昔の遍路道も残っていて3丁石が在るようですが確認してません。

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切通しの先で現在の遍路道は右へ折れるのですがここに

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遍路道は谷川沿いに緩い登り坂となります。

 途中には28丁を最後とする舟形丁石が在ります。

2丁、5～9丁、13丁石は不明で3丁石、18丁石は存在するようですが未確認

又、丁数不明の物が谷川の東側に1基在るようです。

 

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この先、若杉を過ぎると急な登りの山道となります。

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18丁石は道より3ｍ程の高い所に有るようで見落としています

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やがて鞍部に達した所に南北朝時代の古い丁石を再利用した道標

道標にあるようにここまで麓の加茂より町石が残る遍路古道が続いています。

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なだらかな登り道を進みます

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仁王門前登り口に是も古い（貞治年間）町石を再利用した3丁石

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仁王門から100ｍ少しで最後の28丁石

舟形丁石の施主はすべて那賀川流域の人達である

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21番太龍寺

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MAP21-2（カシミール3Dにて作成）

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MAP21-3

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20番鶴林寺から21番太龍寺へ1/2

徳島（阿波）

20番鶴林寺から21番太龍寺間の道標・丁石1

本堂登り口に2基の道標　1基は中務茂兵衛の道標

案内記等では太龍寺迄1里半

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もう1つは昭和4年（1929）の道標で太龍寺へ50丁とあり

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太龍寺への下り口に2基の道標

徳右衛門標石と宝暦9年（1759）の角柱形の1丁石

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石階段の道を下り階段が終わる所に舟形の2丁石

この先、麓の大井の集落まで舟形丁石が18丁石を最後として残っています（7,8,16丁石は不明）

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文化6年（1809）の照蓮標石　太龍寺へ40丁とある

この先で旧道は消滅しています

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新しい道沿いに11丁石

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次に県道283号線を渡った所に12丁石

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谷間の新しい遍路道を下る

13丁石付近で旧遍路道となるように思われる

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やがて広い舗装道路となる

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中務茂兵衛による初期の明治19年（1886）の道標

これより車道から左へ細い遍路道を下る

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細い道を下って行き県道に出るが旧道はさらに那賀川迄続いていたようで少し先の護岸の上には最後の18丁石があるが確認していません

那賀川迄の下り道にある丁石のは那賀川流域付近の人が施主である

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那賀川を渡る水井橋手前には歌が刻んである中務茂兵衛の道標

那賀川に昭和40年に橋が出来るまで迄、渡し舟があったようです。

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MAP21-1（カシミール3Dにて作成）

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20番奥ノ院慈眼寺経由の20番鶴林寺道（裏参道）

徳島（阿波）

20番奥ノ院慈眼寺経由の20番鶴林寺道の道標・丁石

20番奥ノ院慈眼寺へ参拝してから20番鶴林寺へ向かう道筋の道標・丁石です。

実際に歩いたのはかなり前なので現状は変わっている可能性が有ります。

奥ノ院から横瀬迄戻り鶴林寺へ向かうのですが分岐に在ったと思われる道標が鶴林寺の1丁石横に移設されています。照蓮の標石

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勝浦川を渡り右に折れ500ｍ程、川沿いを進み左へと向かうのだがここに道標

中務茂兵衛の道標で施主の生島伊之五郎、世話人の若木千代吉は多くの標石に関わっています。

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左に入り１００m程で山道に入る所に上部が欠けた照蓮の標石

鶴林寺への登り道は本道（表参道）よりこちらの道（裏参道）の方が少し楽だったように思います。道は危険な所も無く登りやすい道筋です。麓より1町迄の高低差は約435m距離は勝浦川から凡そ2.2kｍです

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 少し登った分岐に照蓮の標石があり鶴林寺へ13丁と示す

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左へ登りすぐの所に15町石（12町？）

この先鶴林寺仁王門手前に在る1町石迄、角柱型の町石が続きますが見落としがあるかもしれません。すべての町石には福良与兵衛と刻まれています。

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 上部欠損で町数不明の町石

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昭和に設置された比較的新しい道標

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道標も兼ねた8町石

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地蔵みちとは鶴林寺のことだろうか

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最後は本道と合流する仁王門前に1町石

これには年号が書かれており享保3年（1718）銘

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MAP20奥-6（カシミール3Dにて作成）

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MAP20奥-7

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19番立江寺から20番鶴林寺へ2/2（生名から鶴林寺）

徳島（阿波） 高知（土佐）

19番立江寺から20番鶴林寺間の道標・丁石2/2（生名から鶴林寺）

旅館金子やの前には以前は少し登った先に在った道標が移設されている

写真は少し以前のもので現在はもう少し手前に在ります。

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谷川沿いに中務茂兵衛の道標

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そして鶴林寺へ向かう車道を横切る所に20丁と書かれた小さな道標

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この横に先の「20-25」の道標が在りました。少し前の写真

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200ｍ少し行くと2基の道標

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鶴林寺へ18丁とあり又丁石を5本設置した旨の刻字がります。

是より右へ行き周辺がミカン畑の中の急な道を登って行きますが振り返ってみると景色が良いです。

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車道を横切る所に昭和時代の新しい道標

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18丁とあるが鶴林寺への丁石だとすると場所的に丁数がおかしい

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道は舗装路から山道となり水呑大師横に14丁石

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次に2基の道標が並ぶ　弘化2年の道標には鶴林寺13丁

明治40年の中務茂兵衛の道標には太龍寺へ一里半との近道も示している

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この先に見られる丁石はかなり古く南北朝の時代の町石でいつの頃か新たに丁数を刻み再利用された丁石が11丁から1丁迄続きます。刻字内容については次の資料を参考にしました。

徳島県教育委員会による阿波遍路道「鶴林寺道・太龍寺道・いわや道」

　第20番札所鶴林寺から第21番札所太龍寺　2010年発行

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10丁石は応安2年（1369年）の九町石を転用

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8丁石は年数が分かる一番古い丁石で貞治5年（1366年）七町石を転用

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七丁石には明徳3年（1392年）とあり

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6丁石には応安元年（1368年）も町石を転用

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5丁石は明徳2年（1391年）の12町石を転用

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4丁石は応安元年（1368年）の4町石を転用

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3丁石も応安元年（1368年）の3町石を転用

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この一町の町石は20番の奥ノ院慈眼寺を経て横瀬方面から鶴林寺に登ってくる道にも町石があり12町から残っていてこれが最後の町石である。

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本堂への登り口に一丁石と照蓮標石がある。

1丁石は応安元年（1368年）の町石を転用している

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照蓮の標石は刻字内容から元は北麓の横瀬付近の奥ノ院道に在ったと思われる

鶴とは鶴林寺のことで空性法親王四国霊場御巡行記に

　「里人はツルと云へドモ鶴林寺ト書也」

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20番札所鶴林寺

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MAP20-4（カシミール3Dより作成）

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MAP20-5

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19番立江寺から20番鶴林寺へ1/2（生名迄）

徳島（阿波）

19番立江寺から20番鶴林寺間の道標・丁石1/2（生名迄）

19番立江寺から20番鶴林寺へは案内記によると3里の道法である

櫛淵からは細田周英の遍路地図にある少しの峠を越え（ニタンダ坂）そして勝浦川南岸を西へ進み生名（案内記にはもり村、是より鶴林寺へ十八丁、坂）より登り道となり鶴林寺へ向かいます。実際歩くと立江寺から旧道を歩き鶴林寺の麓迄10km、それより鶴林寺迄3km程の登りです。

 

立江寺門前に道標（鶴林寺へ3里ではなく2里半とあり）

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白鷺橋の東橋詰には文政7（1824）年の歌が刻んである道標

この道標のことが徳島文書館蔵の酒井弥蔵さんの安政五年「さくら卯の花旅日記」に書かれていて

　〔立江村、石橋八ツ有。此橋上に白鷺居る時ハ通らずと言ふ。爰に歌有

　　「御関所五ツの罪ハ立江寺　頼めハ免し給へや」〕

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橋を渡り突き当たりを左へ進むみ250ｍ程行くと

昭和11年の19番奥ノ院取星寺を示す道標

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次に照蓮の標石　右に少し登る道は古い遍路道のように思え細道が続くが途中には遍路道を示す石造物は見当たらなかった。

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県道28号線を進み1300m程で右に少し入った旧道には少し前に確認された真念の標石

櫛淵町にはこの他に2基の真念標石が残っています。これらの標石のことが道指南に書かれています。

〔〇くしぶち村、しるし石あり。同村正安寺、御作の観音有。大道より五丁ほと左標石有〕

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次に600ｍ程先には2基の道標、1基は真念標石

この先、二反田坂を越える道は以前のブログを参照してください。

 尚二反田坂越への旧道は現在、通行可能な様です。

www.osakayamatyan.com

写真と少し変更した図を載せます

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尚、中務茂兵衛道標の世話人である沼江村の若木千代吉さんはこの先20番迄の中務茂兵衛道標等で多くの世話人となっています。

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二反田坂を越えて勝浦川に出た県道沿いには明治時代の道標2基

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これより県道16号線を西へ進み柳原バス停の横には中務茂兵衛の道標

以前は道路の右側の旧道沿いに在った

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旧中角村には鶴林寺迄30丁の道標

昔は現在のように道路地図も無く良い目印になったことだろう

地元の人が世話人である道標

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次に道指南にも出てくる星谷経由で奥ノ院へ向かう道筋の分岐に

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次に鶴林寺の登り口近くにある東林庵には2基の20番奥之院への分岐を示す道標

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地蔵台座の道標で刻字内容からも少し先の横瀬付近にあったのではないかと思う

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MAP20-1（カシミール3Dにて作成）

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MAP20-2

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MAP20-3

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18番恩山寺から19番立江寺へ

徳島（阿波）

18番恩山寺から19番立江寺間の道標・丁石

恩山寺から立江寺迄は案内記等では1里

現在は出来るだけ旧道を歩いて約4.2km

立江寺へは恩山寺手前の照連標石から右へ下るのですがその手前、恩山寺へ上った所の右側に石造物が並んでいるがその一つが地蔵型道標

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恩山寺第二駐車場奥には付近に在った物だろう照蓮の標石が置かれている

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遍路旧道を下り車道に出た所に風化がかなり進んでいる照蓮の標石

旧道は右へ小川沿いに進むようだが今は通れなく少し先から右へはいる。

 

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道は少し坂の山道になるがこの坂は「弦巻坂」と呼ばれており途中に丁石

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坂を登った先平坦な道沿いに下部が埋まっている照蓮標石

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この先舗装道路をショートカットする様に旧道が残るが今は一部通れないかも知れません。坂を下り舗装道路を進むと右手に釈迦庵を見てその先突き当たりに下部がほとんど埋まっている道標　左へ進む

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次に右へ細い農道に入る所に

 

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農道を進み照蓮標石

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細い水路に石橋が架けてあり右へ曲がる

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曲がってすぐの所に元は地蔵の台座だったと思われる道標

干支が間違っており宝暦4年は甲戌である

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細い路地を抜けると県道136号線に出る。ここに道標が2基

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立江寺迄18丁とあるが実際歩くと3ｋｍ程ありおかしいのだが不明

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県道を小松島方面へ少し戻ると別ルートの照蓮標石

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県道を南東に進むと天王社を示す道標　

道指南に「天王村、宮あり」と記載されている

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 この先で県道が右へカーブする所に下部が埋まっている道標

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県道136号線は緩い登りとなりピークにある小堂前に立江寺への物と思われる丁石

舟形丁石はこれ以外は見当たらない

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 下り道、左へカーブする所に

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道を下り開けてくるところにある「黒髪お京肉付鐘の緒伝説」ゆかりの「お京塚碑」の前に道標、以前は道の左に在った

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 次に300ｍ程行くと右側に道標・と丁石

立江寺へ2丁半ではこの先白鷺橋付近となるのだが

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19番立江寺と20番鶴林寺への分岐があり照蓮標石と、中務茂兵衛の道標

これより19番へ行きそして此処まで戻りそして鶴林寺へと向かうのである

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白鷺橋を渡り200m程で19番恩山寺

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MAP19-1（カシミール3Dにて作成）

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MAP19-2 

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